テレビドラマ「世にも奇妙な物語」でも映像化してやがったがな。
ある博士の作った「ネチラタ菌」の感染者が続出し、それまで馬鹿ていねいな口調でしゃべっていた連中が、みんなこういう乱暴な口調になっちまったわけだ。こら。
博士はただちに、逆の成分を持つ「タラチネ菌」の普及にとりかかったのでございます。するとどうでしょう、礼儀正しい口調で答えてくれる方が現れたではありませんか。もうタラチネ菌の効果があらわれたと思いきや、そうではございませんでした。ネチラタ菌は口調を逆にする菌。ということは……。
……ようやく中和してきました。文庫本のあとがきにも言及されてましたが、落語の「たらちね」(長屋に一人だけ文語体で話す女が嫁入りしてくる話)がアイディアの元ネタです。
文学と感染症を考えさせてくれる作品だとは思うのですが、どうすれば論文になるのかまではわかりません。認知言語学とかの素養のない私には。