核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

谷崎潤一郎「少年」断想 ロールプレイ/SMプレイ

 はるか昔に授業で読んで以来(たしかティーチングアシスタントとしてでした)、忘れかけていた短編。

 ある連想から思い出し、青空文庫で読んでみました。予想外にすごい作品でした。

 小学生時代の「私」が友人に誘われて、西洋館のあるお屋敷に入り、体を張ったロールプレイングゲームみたいなことをやって遊ぶわけですが、やがて悪い役を割り当てられてばかりいた少女(友人の姉)の逆襲が始まり、ゲームはこどもSMプレイの様相を……。

 物語構造的には、「小さな王国」や「痴人の愛」との相似も指摘できるわけですが、細部の密度の濃さはそれらをしのぎます。気になった方は青空文庫でどうぞ。

 「”PLAY”とは何か」といった題の論文になりそうです(いや、すでにありそうだな)。