井原論文を読んで初めて、田村俊子に「微弱な権力」という随筆があることを知りました、この「微弱な権力」という題および井原論に、ずきゅんとくるものを感じまして。
私とて、大文字の権力ばかりを相手にしていたわけではないのです。修士論文では漱石の明暗を題材に、「『明暗』論・権力と自由」と題して、金の貸し借りや夫婦間の隠し事から生じる、隠微な権力関係とそれからの解放を論じようと試みたものです(さんざんな出来で終わりましたが)。
田村俊子「微弱な権力」も読みたいのですが、青空文庫にも近代デジタルコレクションにもありませんでした。『文章世界』1912年9月。チェックしておきます。