私は、ダーウィンの著書では「人類の起源」しか読んでいないのですが、とりあえず気になった箇所を。
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ワラス氏は前に参照したりっぱな論文の中で、人間の体は、人間を動物から区別する知能と道徳的な能力を少しでも獲得してからというものは、自然淘汰やそのほかの方法では変化しなくなっただろう、と論じている。なぜならば、人間はその心理的能力によって、「変化する万物に調和して、変化しない体を保つ」ことが可能になったからである。
(一八八頁)
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……後の段では「心理的な能力の変化」について述べてもいますが、少なくとも、「生き残るのは変化するものである」なんて粗雑なことは、ダーウィンは書いていないようです。