栗原著412~414ページより・・・
「「傷のある羽」、『オール読物』一九六三年一月号に発表。『別冊新評 裸の文壇史』の「戦後日本文壇事件史年表」に、「アーネスト・ガン「悲劇と脱出」に酷似。作者の”考慮不足”が指摘される(37・11)」とあるのだが、どこで誰に指摘されたのか書かれておらず委細不明。それとおぼしき報道も見あたらなかった。
「石原慎太郎君、盗作事件で一寸心配だと相談に来る。(略)小生が出ては何だか力に頼りすぎる感ありて穏当ならず」(一九六八年二月四日付)」
・・・佐藤栄作は1968年当時の内閣総理大臣。盗作発覚のあとしまつを総理大臣に頼んで、逆にお説教され門前払いされる文学者というのもそうはいないのではないでしょうか。「栄光の略奪」とそのもとネタは未読ですが、石原の行動そのものが疑惑を裏付けています。私は彼と同じ行動原理を持つ人間を、少なくとも二人知っています。
今日中に終わらせるべき仕事があるので、石原慎太郎関係の報告はまた今度にします。