核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

石原慎太郎の盗作疑惑四つ―栗原裕一郎『〈盗作〉の文学史』 新曜社 2008 より 前編

 私自身も調査を進めてはいるのですが、なにぶん5袋300円のインスタントラーメンすら満足に買えない貧乏人ゆえ、雑誌初出をすべて揃える段階にはいたっていないのです。
 そこで、とりあえず栗原氏の先行研究を紹介します。なお、「太陽の季節」と「栄光の略奪」疑惑もみ消し事件については、私もウラをとっています。以下、栗原著410~414ページより引用。
 
 「石原慎太郎には何件か盗作疑惑があった。が、どれも報道にはいたっておらず、関連記述も少ない。
 まず、『太陽の季節』。一九五五年度第一回文学界新人賞、一九五六年度第三十四回芥川賞受賞作。
 有名な”障子破り”のシーンが、武田泰淳「異形の者」(一九五〇年)からの「借用」ではないかと囁かれた。(略)当時『文学界』編集長だった尾関栄(ひさし)が『文藝春秋』一九八九年二月号で次のような回想をしている。
 「〈略。「異形の者」と)「アイデアが似ているな」と思い、編集長としては、賞に値いするかどうか迷う部分がありました」
 
 「『亀裂』は、『文学界』に一九五六年十一月号から一九五七年九月号まで連載された石原の長編第一作。『人間専科』一九五九年十二月号の「文壇剽窃史」に、「詩人の岩田宏の詩句をそのまま、石原慎太郎が「亀裂」の中で、あたかも自分の創作のように使っていた」という記述がある。だが、岩田のどの詩であるか具体的に示されておらず確認できなかった」
 
 ・・・続きは今日中に引用します。平日の昼間にやることかという気もしますけど。