核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

1959(昭和34)年の中谷宇吉郎

 雪と氷の研究家、中谷宇吉郎(なかやうきちろう。1900~1962)。『立春の卵』などの随筆でも知られた方です。
 わけあって1959(昭和34)年当時の彼の動向を知りたく、文献を漁ってみました。
 
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 昭和34年(1959)年 59歳
・孫野長治らが、ナカヤダイヤグラムの実証のため、手稲山石狩平野において、地上および雪ゾンデによる観測を実施.
2月 〔20日~3月4日〕米国SIPREに出張、グリーンランドで氷の研究を続ける.
4月 北大地球物理学第四講座担任を免ぜられ、物理学第三講座担任.
    〔16~18日〕文春画廊で小林勇とともに絵の二人展を開き、墨絵を出品する.
5月 〔30日〕家族とともに米国に出張.ウッズホールの国際雲物理学会議に出席.グリーンランドおよび北極海氷島T-3を視察.
11月 米国より帰国.
 (神田健三編 「中谷宇吉郎年譜」 『中谷宇吉郎集 第八巻』 岩波書店 2001 18ページ)
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 宇吉郎は戦前雪の結晶の墨絵(すみえ)を描くことから始めて、南画をたしなんでいたが、晩年までよく南画を描き、墨やすずりもよいものを持っていた。昭和三十四年四月には、小林勇氏と二人で文春画廊で友人を招いて墨絵の二人展を開いた。
 (藤岡由夫 『中谷宇吉郎―小伝と科学随筆抄』 雷鳥社 1968 32ページ)
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 なお、電子計算機や将棋についての話題は、上記『中谷宇吉郎集』や『小伝と科学随筆』にはいっさいありませんでした。著書目録にもそうした表題の随筆はないようです。
 もう少し調べたら、中間報告とさせていただきます。