核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

「非戦論者」同時代の評価

 『光』誌1906(明治39)年11月5日、第一巻第二六号、(六)ページ。
 そもそも私が同作品を知ったきっかけがこれでした。
 
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 新刊紹介
 ●文庫 (十月号) 本誌には非戦論者といふ長扁小説あり、紛々たる戦争小説と異なり、博愛の大義を説き、上帝の福音を頌し、悲痛なる兵士の心情を描き、惨酷なる戦争の害悪を説く、其の筆の真摯にして温情なる殆ど人をして卒読に堪えば(引用者注 「ざ」か)らしむるものあり、吾人は斯くの如き小説の載せられたるを喜び、軍国主義に狂する人士が一読せんことを祈るものなり
(本郷西片町 内外出版協会 定価十二銭)
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 『光』誌は社会主義の機関紙の一つなのですが、キリスト教色の強い『新紀元』誌とちがって、平和主義運動にはそれほど力を入れていない印象がありました。訂正せねばならないようです。