核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

星新一「ある未来の生活 すばらしき三十年後」(1967)

 『つぎはぎプラネット』(新潮文庫 2013 329~336ページ)収録。初出は「英語フレンド 2年」1967年4月創刊号とのこと(いずれ探します)。
 高層アパートの四十階に住むN氏(「エヌ氏」表記ではなく)の生活を通して未来の社会を描いています。以下箇条書きで。

 ・見たい夢を調節できる装置
 ・目覚ましガスつきベッド
 ・天候の人工管理でスモッグを散らす
 ・ピストル型新聞(引き金をひくたびに画面が出る)
 ・放射能財布(忘れ物防止)
 ・自宅学習装置(間違えるとムチが出てお尻をひっぱたく)
 ・いくら食べても消化器を害さない食品
 ・チャンネル数が五十ほどある立体テレビ
 

 …いつものショートショートと違って、悲惨な結末は特にありません。
 これを書いた時点での星新一星一の『三十年後』を読んでいるはずですが、影響はあまりないようです。むしろ、意図的に似ないようにしている印象を受けます。