現代文口語体で、なおかつ私が人に教えられるほど含蓄のある作家といえば、やはりあの方です。
「エフ博士の発明もの」や「エヌ氏への珍客もの」も面白いのですが、私がやるとしたら、「星新一における戦争」というテーマはどうかと。
具体的な題名をあげるとネタばれになるのであげませんが、「最後に核戦争が勃発した」「実は核戦争後だった」式の結末はけっこう多いのです。
冒頭から戦争を題材にしている「白い服の男」や「ああ祖国よ」も議論のしがいがありそうです。
書かれ読まれた時期が冷戦下ということもあり、現代の聴講者さんたちはそれほど切実に戦争という題材に興味を持たないかもしれません。しかし、核兵器および通常兵器が地球上に存在する限り、戦争という問題は誰にも無縁ではないと思います。