今こそ読み返したい作品なのですが、手元になく、浅羽著の索引にもなかったので、記憶に頼って書いてみます。
戦後日本(ゲバラや学生運動への言及などから、1968年前後かと。要調査)。
戦争がはじまります。といっても全面核戦争ではなく、アフリカの新興国からの唐突な宣戦布告。前例のない事態と、意外と薄情な国際社会にうろたえる政府、テレビ局、評論家たちの前に、漁船2隻の敵海軍は着々と日本近海に迫ってきます。
戦後平和主義の浅薄さ、68年的な文化のくだらなさを風刺した作品なのですが、それだけではないと思います。今の私が求めているのは、予見や冷笑ではなく、賢慮です。
追記 星新一公式サイト様によりますと、
◇ああ祖国よ(おみそれ社会)――「PocketパンチOh!」1969年6月号
とのことです。