明治天皇のいわゆる「御真影」が完成したのと同じ時期に、アメリカではイーストマンが「ボタンを押すだけ」のコダックカメラを販売していました。
ひそかにお雇い外国人に描かせた肖像画を写真に撮る、などという手間をかけずとも、近侍の誰かがコダックでぱしゃっと明治天皇を写せば、「御真影」は完成していたのでは。なぜそうしなかったのか。
ここから先は不敬にあたりそうなので書きづらいのですが、あの有名な「御真影」と、実際の明治天皇は似ていなかったのではないか、と推測されるのです。だから写真をそのまま「御真影」にするわけにはいかなかったのではないか。さしずめ「御虚影」です。