核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

マルクス「ゴータ綱領批判」再読

 今回再読したところ、確かに「労働〔だけ〕が、あらゆる富の源泉ではない。自然も労働と同じ程度に使用価値の源泉であり(そして、まさに物的富は、こういう使用価値でできているのだ!)、労働そのものが、人間の労働力という一つの自然力の発現にすぎない」という一文(渡辺寛訳)がありました。

 またその少し後には、「人間が最初からあらゆる労働手段と労働対象の第一の源泉である自然にたいして所有者としてふるまい、自然を自分のもちものとしてあつかうかぎりでは、人間の労働は使用価値の源泉となり、したがってまた富の源泉となる」という節もあります。

 が、マルクスが「自然」について言及しているのはこの二節ぐらいで、地球環境への憂慮といったものはまったく見られません。ゴータ綱領への難癖の一部ぐらいとしか読み取れませんでした。