同書46ページ、ラッセルの『政治的に重要な欲望』の要約より。
人間の好戦性を支える欲望について。
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その一つは「興奮欲」(Love of Exicitement)であって、ラッセルによると、人間は退屈に対する能力で獣類よりも優越性を示しているのであって、退屈からの逃走がほとんあらゆる人間の実に力強い欲望の一つであることは、経験によって示されているところである。酒・煙草・賭博・戦争などは、人々に刺激を与えることによって興奮欲を満足させるものである。
(略。狩猟から農耕への進歩が余暇を生み、興奮欲の対象が必要になったという仮説を提示した後に)
人間の好戦性も興奮欲に根ざすものであるから、「興奮欲を生み出す肉体的な使用しない精力にとって無害な捌け口を確保するために」戦争以外の手段を見つけることが、人類の生存にとって必要不可欠なのである。
(46ページ)
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・・・さらにラッセルは「建設的な捌け口」の例として、「突然の発見や発明の瞬間」を挙げています。
村井弦斎のいう「道楽」とは、もしかしたらこのLove of Exicitementのことを言いたかったのではと思ったり。なんか面白そうなので、今年の読みおさめはラッセルにします。