以前、ハッチオン『アダプテーションの理論』に、小説は映像と違って予算を気にせずにすむ、というブラッドベリの説を紹介しましたが。
アメリカ人作家のレイ・ブラッドベリではなく、イギリス人作家マルカム・ブラッドベリの説であったと、同書の索引を読んで判明しました。
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テレビ番組用に台本を書くのはタクシーの中で座っているのと似ている。メーターがつねに上がり続け、すべての額を払わなければならない。(略)
しかし、小説の場合は、メーターのスイッチを切っておけるのだ。好きなことを書くことができる。ブエノスアイレスにも行けるし、月にも行けるし、望むものは何でも手に入れられる。それが小説の素晴らしさ、小説家であることの素晴らしさのひとつなのだ。
(一一〇頁)
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『華氏451度』のレイさんが言いそうだと思ったのだがなあ。