「マルクスって読んだことないけど、貧しい人の味方なんじゃないの?」
という方もいるかも知れません。
違います。
マルクスが革命の担い手とみなしたのは、プロレタリアート(労働者階級)だけです。
では、労働者階級よりも貧しい人については。以下の通りです。
マルクスは『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』の第五章で、彼がボナパルトの支持基盤とみなした、「ルンペン・プロレタリアート」(と、マルクスが勝手に名付けた人々)を、「すべての階級のかす、くず、ごみ」と口汚く罵倒しています。
ルンペン・プロレタリアートとして列挙されている職種の中には犯罪者も含まれますが、「手品師」「荷かつぎ」「文士」「とぎや」「いかけや」といった、今日なら自営業者かフリーターに含まれるであろう、悪く言われる筋合いのない職種も多く見られます。
特に「荷かつぎ」の人がいなかったら、誰が労働者が生産した商品を市場に運ぶというのでしょうか。マルクスは、彼らがボナパルトを支持したという理由だけで、それらの職種の人々を差別します。
私は元「荷かつぎ」ですが、ボナパルトだかナポレオン三世だかの支持者ではありませんし、日本の二世三世議員やタレント議員が知名度だけで当選する風潮には苦々しさを感じています。世襲制度は民主主義にとって有害です。
しかし、それ以上に私が許しがたいのは、貧しい人を貧しさゆえに差別するマルクスです。マルクスは決して、貧しい人の味方ではありません。