当ブログが何度も引用したCM.会社名は省略しますが、検索すればyoutubeにもあります。
「100円でポテトチップスは買えますが、
ポテトチップスで100円は買えません。
あしからず」
真理です。
消費税は内税として、あなたが100円でポテトチップスを買ったとします。
「ありがとうございました」
と店員さんは言ってくれるはずです。おそらくは笑顔で。
逆に、あなたがポテトチップスをレジに持って行き
「これで100円ください」
と言ったとします。店員さんは決して笑顔にはならないでしょう。
「返品ですか?まず当店のレシートを見せてください」
「いいえ、別の店で買ったポテチです。でも同じ商品なので100円ください」
しまいには怒られるでしょう。店員さんがレジから100円を出して、他店で買ったというポテトチップスと交換してくれることは決してありません。
つまり、
「ポテトチップス=100円」
ではないのです。むしろ
「ポテトチップス<100円」
が正しい式です。この不等式はポテトの原価とか、100円鋳造の労働力といったものとはまったく関係がありません。商品と貨幣の交換が成立した瞬間には、常に、
「商品<貨幣」
が成立しているのです。店員さんの笑顔と「ありがとうございました」は、(意識しているかは別として)、「当方の商品をあなたの貨幣と交換していただき、ありがとうございました」なのです。
「20エレのリンネル=一着の上着」
とかなんとか、「=」を連発していました。マルクス以前の古典派経済学者にもいえることですが、ものを売る苦労を知らない者の戯言です。
一方、メンガーをはじめとする近代経済学者は、上記のCMと同じ知見に基づき、交換が成立しているならその二つの財は等価では「ない」と喝破しました。
私はもちろん、マル経より近経を信じます。
追記 『資本論』の式では、「10エレのリンネル」ではなく「20エレのリンネル」だったので訂正しました。論旨に変更はありません。