核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

青空文庫で、土井晩翠『イーリアス』を開いた。

 読んだとは言ってません。正直、岩波文庫版松平千秋訳の読みやすさになれてしまった私には、通読する気力は出ませんでした。情けない話です。

 ただ、以下の2箇所は気になったので、検索してみました。

 

・下っ端のテルシテスが、総大将を置き去りにして、皆に祖国に帰ろうと呼びかける場面。

・戦争の神アレスが、「人類の災い」と語り手に称される場面(多数)。

 

 どっちも岩波文庫版と同じように、おそらくは忠実に訳されてました。土井訳『イーリアス』は一九四〇(昭和一五)年十一月刊行とのことなので、太平洋戦争開戦の一年前です。大多数の時局便乗文学者よりは、土井は気骨があったのではないでしょうか。