核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

PC-8001MK2用ゲームソフト『ポートピア連続殺人事件』(エニックス(現スクウェア・エニックス) 1983)

 故・鳥山明のイラスト、故・すぎやまこういちの音楽とともに、『ドラゴンクエスト』シリーズのシナリオを担当なさった、堀井雄二氏の初期作品。後にファミコンにも移植されてヒットしましたが、私は先にマイコン版でプレイしました。真犯人逮捕に至ったのはだいぶ後でしたが。

 ポートピア’81という博覧会が時代背景と思われますが、ストーリーには全くからまず、そもそも博覧会場には入れません。ポートピアは「ミナト」の背景に、小さく描かれてるだけだったような。むしろ「ポートピア」の名はこのゲームのおかげで後世に残ったといってよいでしょう。博覧会なんてのは終わってしまえば所詮そんなもんだと、大坂万博反対派の私は思います。それはともかく。

 神戸で起きた資産家の密室殺人事件。プレイヤーが刑事ボスとなって、相棒のヤスとともに事件を捜査するというアドベンチャーゲームです。容疑者は女性秘書、管理人、被害者のワルそな甥など。ヤスへの命令を「ゲンバ イケ」「アリバイ シラベロ」などとタイピングして、報告を聞く形で捜査を進めていきます。

 後でファミコン版を友人に見せてもらい、「ゆきこ」という斉藤由貴似の(ま、ファミコンのドット絵ですが)新たな容疑者が追加されているのを知り、ファンの(そしてファミコン持ってなかった)私はしまったぁぁと思ったものでした。

 PC-8001MK2はマイコンのくせにファミコンより低い性能なので、ヤスの髪が青くてネクタイがピンクだったり、現場地下の3D迷路がなかったりでしたが、おおまかなストーリーは同じ。事件の真相はあまりにも広まっていて、検索どころか変換予測で犯人の名が出てくるぐらいですのでネタバレはしません。

 変に生活感のあるセリフや人物造型、ところどころにちりばめられたユーモア、そして最後はシリアスな展開と、後の『ドラゴンクエスト』シリーズにも通じる堀井氏の作風が示されていました。