核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」

 前から気になってたアニメですが、このたびテレビで見ることができました。
 あちこちで論じつくされた作品なので、ここでは一絶対平和主義者の個人的感想を手短に述べます。
 
 そもそも、「新世紀エヴァンゲリオン」とは1995年に社会現象にまでなったTVアニメでして、この「ヴァンゲリン」はその劇場版リメイクです。「使徒」と呼ばれる巨大怪獣(?)の襲撃におびやかされる近未来の日本で、人型兵器「ヱヴァ」で戦わされる少年少女たちの物語です。
 昔は無口でけなげな少女「綾波レイ」と、毒舌家で勝気な「惣流・アスカ・ラングレー」が人気を二分していたものですが(私は綾波派でした)、今回の劇場版では新たに赤メガネをかけた新ヒロインが登場します。
 このメガネっ子の人物造型が今までになくポジティブでして。強敵に苦戦しても、「痛い・・・けど面白い!」とか言って、ずんずん前に出て行きます。
 
 ・・・人間の性向をサド的とマゾ的に二分するがごとき浅薄な心理学(?)に、私は常々疑問を抱いていました。
 「苦痛を求めるわけではないが、苦痛を克服して己の能力を示すことに喜びを感じる」性向も存在するのです。
 サド的でもマゾ的でもないこの性向を、私はプラトンの『国家』の用語を借りて、「気概的(きがいてき)」と仮に呼んでいます。この気概的傾向の節度ある発達に世界平和の可能性をみる私は・・・
 ・・・綾波萌えから赤メガネ萌えに転向しました。ごめんなさい。
 
 (以下ネタバレ)
 
 TV版でも最後に出てきていろいろやらかしてくれた謎の少年カヲル君(今度の劇場版では「カオル君」になるのでしょうか)が、今回は月から舞い降りてきました。
 「今度こそは君をしあわせにしてあげるよ・・・」
 はたして、今度こそ人類(リリン?)はしあわせになれるんでしょうか。完結編が楽しみです