核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2022-10-24から1日間の記事一覧

よく考えたら

「文化の中の居心地悪さ」を扱っていない文学作品のほうが圧倒的に少ないですね。 たいていの文学作品は「ー文化の中の居心地悪さー」という副題をつけても違和感ないぐらいです。例外は『ロビンソン漂流記』とか『太平洋ひとりぼっち』ぐらいではないでしょ…

川端康成『浅草紅団』も、フロイト「文化の中の居心地悪さ」も一九三〇年。

ともに昭和五年。正確には、『浅草紅団』は一九二九~一九三〇断続的連載。 『浅草紅団』の弓子という主人公は、語り手の「私」には(そして大多数の読者にも)さっぱり理解できない特異な性格と行動の主なのですが、彼女の行動原理を、「文化の中の居心地悪…

タナトスとかデストルドーとか、死の欲動とか

フロイトも、戦争が起きる理由については考えていたわけですが。 彼は人間の無意識下の巨大な「死の欲動」を戦争の原因と考え、「文化の中の居心地悪さ」(一九三〇)では、もう一つの巨大な欲動であるエロースに期待しようと結び、アインシュタイン宛ての「…