核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2023-07-17から1日間の記事一覧

『闇中政治家』の次は、『灰燼』読んでみます

『闇中政治家』は最後(あのしょぼい結末)まで読み終えたのですが、結局、先行諸論文で述べられている以上のことは書けそうにない、という結論に達しました。 『闇中政治家』という作品は、暴力革命論とジェンダー論、当時の二つのタブーに接近を試みながら…

森鴎外『灰燼』におけるジェンダーの問題

私は明治反戦文学の研究で学位を得た人間で、ジェンダーとかセクシュアリティの問題にはうとかったのですが、そうも言っていられなくなりました。森鴎外の全集でしか読めない未完の小説『灰燼』にも、トランスジェンダーの人物が登場するのです。 以下、国会…

宇野常寛『ゼロ年代の想像力』(早川書房 二〇〇八) その1

私の二〇〇〇年代はいろいろと悲惨だったこともあり、いわゆるゼロ年代批評にはまったく無知であることをあらかじめお断りしておきます。 この本は、岡和田晃『反ヘイト・反自由主義の批評精神 いま読まれるべき〈文学〉とは何か』(寿郎社 二〇一八)の一八…