『闇中政治家』は最後(あのしょぼい結末)まで読み終えたのですが、結局、先行諸論文で述べられている以上のことは書けそうにない、という結論に達しました。
『闇中政治家』という作品は、暴力革命論とジェンダー論、当時の二つのタブーに接近を試みながら、最後で逃げ腰になってしまっているのです。中途半端ならやらないほうがましです。
で、少なくともジェンダーについては、原抱一庵よりは踏み込んでいそうな、森鴎外『灰燼』を読んでみることにしました。論文のネタではなく、燃料として。
私は現在、早急に『戦争の止め方』の結論部を書き直しあぐねているのですが、『灰燼』が何らかのインスピレーションを与えてくれるかどうか。少しだけ期待しています。