原抱一庵の『闇中政治家』(一八九〇(明治二三))。
あの読後感、どこかで味わったことがあると思ったら。
テレビ放映版『新世紀エヴァンゲリオン』の終わり方ですよ。あのさんざん思わせぶりな要素や秘密めかした雰囲気をただよわせておいて、結局何一つ解決しないあたり。
最後はどっちも、「父にありがとう」だし。
弦斎と麗水の合作もそういうのだったら、大金をむだにすることになるな。作者と媒体は違うとはいえ、年代(一八九〇年代)と舞台(北海道)はほぼ同じ。はたして、父=明治政府にどれだけ抗えた作品なのか。
やっぱり、入手はもう少し見送ることにします。