私の二〇〇〇年代はいろいろと悲惨だったこともあり、いわゆるゼロ年代批評にはまったく無知であることをあらかじめお断りしておきます。
この本は、岡和田晃『反ヘイト・反自由主義の批評精神 いま読まれるべき〈文学〉とは何か』(寿郎社 二〇一八)の一八三~一八四頁で、「2ちゃんねる的な「釣り」の域を出ていない」等と徹底的に否定されているのを見、こわいもの見たさで読みたくなったわけです。釣道楽ではありませんが、一五年前の批評に釣られてみるのも悪くないかと。
扱われている作品については、まんがやゲームについてはそこそこ、アニメやドラマはまったく知りません。テレビ媒体が嫌いというわけではありませんが、どうも気恥ずかしいのです。