「保守・革新の新参議院議員両氏に討論してもらった」(同誌見出しより)とのことですが、両者は原子力推進主義者という点では一致しています。思えば、大江健三郎が原子力発電に「まったく賛成です」と講演したのも、同じ1968年でした。
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石原 いま世界は新しい生産技術エネルギーである核をとりいれる時機が到来しつつある。あくまで平和利用のために、積極的に核をとりいれないと、日本はアジアのスペインになる。新しい生産技術エネルギーを、自分の手に入れなかったら、新しい芸術も思想も生まれてこない。これは上田さんと基本的には一致してることでしょう。
上田 そう、今から五十年くらいたったら、「昔は石油や石炭を燃料に使ってた」って笑い話をする時代がくるわけだ。
(46~47ページ)
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約五十年たちました。日本を原子力大国にしたのは、こういう1968年当時の若手政治家たちです。
(ここで、「佐世保では空中一四四一カウントの放射能が検出」とか、「海中は七四・八カウントですよ。海中に出てますよ。平常値の十五倍以上だ」といった上田氏の発言があるのですが、シーベルトに換算してどれくらいかはわかりません。いずれ専門書で調べてみます。)
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上田 困るね。冗談じゃない。
(50ページ)
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と上田氏にまで「核なし原潜なんて、本気で考えるのかね」と呆れられています。自分で言った「平和利用」という言葉の意味さえ、本気で考えてはいなかったようです。時に三五歳。国会議員。太陽族という歳でもありません。
こういう人間がふたたび国政に立っていいものか。判断材料として提出しておきます。