核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

前向きなメランコリー、もしくは「こわ悲しい」嗜好

 なんというか、いま現在のような沈滞状態にあると、つい「怖い画像」とか「検索してはいけない言葉」だのを探してむなしく時間をつぶす悪癖がありまして。
 そういうコンテンツに一定の需要があるということは、私と同じ嗜好の方も珍しくはないのでしょう。さかのぼればギリシア悲劇なんかにも、「悲しい」を通り越して「こわ悲しい」と呼びたくなるような作品があります。
 この間は小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』なんて長ったらしいのも読んでみたのですが、あれは期待はずれでした。道具立てばかり仰々しくて、悲劇に不可欠な崇高さといったものが欠けているように思うのです。夢野久作は好きなんですけど。