核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『近代日本と石橋湛山 『東洋経済新報』の人びと』

 松尾 尊兌(まつお たかよし)著(東洋経済新報社 2013)。
戦前、戦中にわたって軍国主義を批判し続け、戦後は短期間とはいえ総理大臣に就任した平和主義者、石橋湛山と彼の運営した雑誌『東洋経済新報』についての研究です。
 一例として、同書226ページより、1932(昭和7)年2月号の『婦人之友』に掲載された軍備撤廃論(原題は不明。近日中に実物をあたります)を。
 
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 私は我国の進むべき唯一の路は平和主義あるのみと確信する。之は世界多数の(少数の強国民は除き、虐げられたる多数の)人類の希望と、我国の天然及歴史的位置とが、我国に命ずる公道だ。而して我国は深き信念を以て、此公道を進むとき、始めて東亜の盟主にも或は世界の盟主にもなり得よう。(中略)我国は僅かばかりの我軍備の維持に執着せず、進んで、世界列国の軍備の全廃を求めようではないか。然して初めて我国境は、ただに満蒙と云はず、世界大に之を拡張し得るのである。
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 残念ながらというか当然にもというか、湛山の軍備撤廃論は同時代には受け入れられませんでした。たぶん私がこの時代の人間だったとしても、同意できなかったと思います。
 軍備撤廃論が説得力を持つには代案がなければならない。私が最近、核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログを書きあぐねている理由です。特にシリア関係。