核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『食道楽 続編』「春の巻」 「第八十七 チヨコレート」

 書けそうな所から先に片付けておきます。チョコレートに入れる砂糖だって、大日本帝国の植民地政策と関係大ありなのは承知の上で。
 飲み物としての「チヨコレート」の製法を聞かれたお登和嬢。

 
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 お登和嬢「チヨコレートは出し方一つで味に大きな相違が出来ます、チヨコレートにも料理用と申して砂糖の入れてないのが御座いますけれど只今出したのはチヨコレートメニアとしてありますのでコヽアへ砂糖やバニラなどを加味して精製して御座います、それが長い板の様になつて一枚の板が半斤つゝですが板と申しても小さい蒲鉾形を六つ寄せた様になつて居ります、半斤六十目が六つに分けてありますから一つの蒲鉾形が十匁に当たります、それを一人前ならは三分の一ですから先(ま)つ三匁四分計りに割り取つて小さい鍋へ入れます、その上からホンの少し計りの湯でも水でも注ぎまして(以下略)
 (近代デジタルライブラリー 『食道楽 続編』「春の巻」(156/193))
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 溶かした後は牛乳を注いで、かき回しながら十分ぐらい煮るそうです。
 「チョコレートメニア」。また知らない言葉が出てきました。砂糖やバニラを加味した飲料用の板チョコのようです。
 ・・・Menier Chocolateというメーカーが検索にひっかかりました。上記のようなチョコレートを1898年に製造・輸出していたかはまだ不明です。