核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

高橋昌一郎『小林秀雄の哲学』朝日新書 2013

 戦後に出版された(つまり、戦時下の厖大な発言をすべてなかったことにした)小林秀雄全集をもとに、戦前・戦中の小林秀雄を論じた、何の価値もない本です。
 戦前・戦中の新聞や雑誌で小林秀雄を読めば、彼が「頑固に戦争から目を転じて」(『感想』1958年)などいないことはすぐわかるはずです。
 一か所だけ、『大洋』1942年5月号の鼎談「海軍精神の探究」が引用されていますが(163ページ)はたして本当にこれを読んだ上での論なのでしょうか。