核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

星一『聖勅 大東亜戦争』(1942)

 星一研究を完成させるには、どうしても避けて通れない文献です。できれば避けて通りたかった。
 
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 日本は神国であつて、天佑の国であります。(略)
 大東亜戦争は、考へれば考へる程、その規模の大なるには驚かざるを得ません。(略)
 全地球の三分の一の大地域を、同日同時に攻撃を開始し、史上無比の大勝利を得たることは、何んと云ふても肇国以来の使命達成の開運と云はねばなりませぬ。
 それだけに大きな責任があります。何んとしても勝抜き、戦争目的を貫徹せねばなりませぬ。
 (近代デジタルライブラリー 星一『聖勅 大東亜戦争』「緒言」 4/95)
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 何でこうなったんでしょうか。軍備廃絶・縮小を訴える『三十年後』や『官吏学』の著者とは思えない、何のオリジナリティもない時局便乗です。
 一応、本文は、太平洋戦争下の南洋諸島・諸国の資料集になっていまして、それなりに実用性はありそうな内容です(未照合)。それにしても、星一の平和論には何らかの脆弱性があったのではないかと、疑わせるには十分です。