論文ではなく学会発表ですが、ネット上でレジュメと質疑を読むことが出来ました。
『ある青年の夢』については、主人公の青年(A)も、他の登場人物(亡霊五)も、わずかながら自衛のための戦争を認めてしまう立場をとっており、絶対的非戦論者・植民地否定論者とはいえないこと。
そして『大東亜戦争私感』では、同戦争を自己防衛のための戦争とみなしていること。平和への祈念・植民地否定(ただし欧米限定)といった要素もわずかに残っていること。
以上の理由から、楊氏は、『ある青年の夢』と『大東亜戦争私感』の戦争認識は断絶したものではなく、「ほとんど変化が見られない」と結論します。
論文や記事を書く前に読んでおくべき論でした。