核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

オルダス・ハックスリイ著 松村達男訳『すばらしい新世界』(原著1932)

 『世界SF全集 10』(早川書房 1968)より。オーウェル『1984年』と同時収録。
 どうしてそう、極端から極端に走るかなあ、です。すべてが薬品で統制される管理社会と、いっさいの科学を認めない原始社会じゃ、どっちも嫌に決まってるでしょうに。問題提起自体が不毛に思えます。
 ただ、総統ムスタファ・モンドの異常に気さくなキャラは、この手のディストピア小説としては掘り出し物でした。野蛮人との激論シーンで、鷹の爪団の総統と吉田くんの絵が浮かんで見えたのは、私だけではないはずです。