核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

『実業之日本』1918年1月号特集「軍国主義か平和主義か」 その2

 次の論者は陸軍中将、佐藤鋼次郎氏。
 「右に軍国主義左に産業主義」と見出しがついています。
 その「英国は平和主義か」という章で、今日の英国は独国軍国主義を罵倒しているが、英国自身も過去には侵略をほしいままにしていたのだから、蜂須賀小六が阿波守になってから盗賊を非難するようなものだとか書いています。いいたいことはわかります。当時の英国政府が平和主義だとは思いません。英国にもいくらかは平和主義者がいたことは確かですが。
 佐藤中将は「侵略主義などは我帝国は絶対に夢寐(むび)にも思はぬ所」とも書いていますが、敗戦国にならないためには、産業だけではなく軍事力の裏付けが必要である、「右に軍刀を、左に算盤を」と結論しています。
 意外と穏当な結論でした。私が賛成するわけにはいきませんが。