核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

ジョセフ・S・ナイ・ジュニア著 田中明彦/村田晃嗣訳 『国際紛争―理論と歴史〔原書第4版〕』より 国際的制度

 安全保障のジレンマを軽減するにはどうしたらいいか。その1、国際的制度。

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 なぜ国際的制度が重要なのか。なぜなら、それらは期待を形成する枠組みと情報を軽減するからである。国際的制度のおかげで紛争になることはないと、人々は信じるようになる。国際的制度は未来への射程を長くし、安全保障のディレンマへの敏感性を低くする。制度は、リアリストが前提とする無政府状態の効果を軽減する。
 ジョセフ・S・ナイ・ジュニア著 田中明彦村田晃嗣訳 『国際紛争―理論と歴史〔原書第4版〕』(有斐閣 二〇〇三 五九ページ)
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 具体的にはEUとか米州機構とかのことですね。当たり前の話じゃないかと思われるかも知れませんが、1914年(第一次世界大戦の年)にはそれが当たり前ではなかったということで。