2020-03-07 森鴎外の「鼠坂」とかも考えたけど 戦争が日本人におよぼす悲惨だけでなく、日本人(新聞記者)が中立であるはずの清国人女性におよぼす罪悪を描いているという点では、日露戦争がらみの文学作品のなかでは頭一つ分抜きんでてはいます。 しかし、「どのように戦争を止めるか」という問題提起がなされていない点で―鴎外の立場を考えれば仕方がないのですが―与謝野晶子らと同じ批判があてはまってしまいます。今回の研究ではエントリーしませんが、心に重いものを残す作品です。