核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

機動戦士ガンジー!?

 グラムシ「政治闘争と戦争」中のガンジー観。『グラムシ選集 1』(合同出版社 1961)より引用。有名な「機動戦、陣地戦、地下戦」のたとえが出てくるやつです。

 

   ※

 インドのイギリスにたいする(略)政治闘争は、戦争の三つの形態を経験した。機動戦、陣地戦、地下戦である。ガンジーの受動的抵抗は一つの陣地戦であり、これはいくつかの時点では機動戦となり、また他のいくつかの時点では地下戦となる。ボイコットは陣地戦であり、ストライキは機動戦であり、武器や攻撃戦闘要員の秘密の準備は地下戦である。

 (一七一~一七二ページ)

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 ……機動~戦~士ガンジーガンジー!。って、ガンジーの非暴力的抵抗は隠れみので、裏で武器や攻撃戦闘要員を秘密に準備していると思っていたようですグラムシは。

 自分がそういうこと(詐術や暴力)ばっかり考えてるから、非マルクス主義者のガンジーもそうに違いないと思い込んだのでしょう。私はガンジーの信奉者ではありませんが、見損なうなと言いたいです。

 ここに限らず、グラムシ選集に高邁な哲学や思想はまったく出てきませんでした。あるのは、いかにマルクス主義の暴力的な本質を隠して、大衆をだまして味方につけるか(それが「ヘゲモニー」なのでしょう)ばっかりです。そのくせ権力奪取に失敗し、獄中で悲惨な末路を遂げることになったのですから、同情する気にもなれません。昔話によく出てくる、「となりのよくばりじいさん」みたいなもんです。ガンジーがしょうじきじいさんかはまた別として。

 

2023・1・8追記 ウィペディアの「グラムシ」の項に

 

 しかし、監獄内の非衛生的環境と虐待によりグラムシは健康を害し、1933年末から入院の上治療を受けたが、1937年4月、刑期減免による釈放直後に脳溢血で逝去した[2]。

 

 とありましたので、「獄中で悲惨な末路を遂げる」との箇所は取り消します。それ以外の箇所はそのままとします。