核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

日本人には稀に見るファイター

数日前に書いた、清沢きよしが正木ひろし(両名ともに難しい漢字なので、今回はひらがな表記で)を評した、『暗黒日記』の一節。一九四五(昭和二〇)年二月二〇日。

 

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 正木君は『近きより』を発行している人だ。弁護士で、日本人には稀に見るファイターだ。昨年、警官の拷問致死事件を起した。すなわち警官を告発したのだ。警察ブロックを対手にして喧嘩をしたのだ。警察の方では、あらゆる方法を以て圧迫してきたが、これと敢然戦っている人だ。

 清沢きよし著 山本義彦編『暗黒日記』(岩波文庫 一九六〇)

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 ……時代は太平洋戦争のただ中。口先で戦争賛美を叫ぶ者はいくらでもいたわけですが、そういうのは「ファイター」ではないのです。ただ一人でも戦う覚悟を持ってこそファイター。