アドルノで検索するとむやみと出てくる挿話。
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ドイツでは大学紛争の逸話として、1969年、フランクフルト学派で碩学のアドルノ(1903ー69)が講義をしている最中に、活動家の女子学生が上半身裸になってアドルノに近づいてきたことがあったという。この欲望の塊を前にして、知識はどう役に立つのかと言わんばかりに。アドルノはただ驚くばかりだったという。それからまもなくアドルノは死去したが、この女子学生の行動も、近代ブルジョア文化についてあれこれと語るアドルノに対する攻撃であった
城達也「現代日本の「実学」と「美学」(前半)―人間形成の思想をめぐる考察」
大阪経大論集・第71巻第1号・2020年5月 61頁
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ちょっとうらやましい?授業中じゃそうでもないでしょ。
左翼に属するはずのアドルノですが、学生運動からは支持されず、機動隊を導入して研究所から学生を排除し、裏切り者と罵倒された、なんて話もウィキペディア「フランクフルト学派」の項に出てきます。
私は1968年前後の学生運動にまったく同情を持たないので、どっちもどっちとしか思えませんが。