核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

映画『ラ・ブーム』(一九八〇)のテーマ、"Reality"

 私は論文を書くのに、テーマ曲を必要とするタイプの文学研究者です。

 今回、伊藤野枝「火つけ彦七」論のテーマは、私にとって懐かしの曲(映画『ラ・ブーム』はいまだに観ていません)、"Reality"でいこうと思います。一九八〇年当時から憂鬱な小学生だった私は、この曲を脳内で流しながら遊具のブランコを漕いでいたものです。

 検索したところ、『ラ・ブーム』はソフィ-・マルソー演じる少女がブーム(パーティ)に憧れる青春物語で、放火だ差別だといった物騒な話とはまったく無縁なのですが、奇妙に『火つけ彦七』の読後感とシンクロするのです。強いていえば、集団から疎外された者の切なさ、あたりでしょうか。