同誌には小説欄もありまして、水谷珪氏や西谷史氏が見開き2ページの、コンピューターを題材にした小品を発表してました。
水谷氏のほうは確か1984年で、題名はどれも失念しましたが、
・主人公が死んでも、別人にリーインカネーション(転生)してループし無限に続くアドベンチャーゲームの話。
・最澄と空海が異国からアセンブラとコンパイラを持ち帰り、いまだにBASIC時代の平安王朝に波乱を巻き起こす話。
・歌姫にふられた酒場の常連が、最新のシンセサイザーを女性型ロボットに埋め込み、一夜限りのライブをやる話。
どれもすばらしい作品でした。ループものやボーカロイドなどなかった時代の発想です。
翌年(1985?)から西谷氏に交代となりました。覚えているのは、
・いじめられっ子の少年が、マイコンで悪魔を呼び出すプログラムを実行し、復讐する話。
ご存じ、今日まで続くCRPG『女神転生』シリーズの、原型というべき小説です。
当時の私は赤川次郎も星新一も読んでいたかどうかです。これらの作品が、現実とは違う文学の面白さを教えてくれたような気がします。
追記 水谷氏のお名前をあれこれ検索したところ、「桂」ではなく「珪」氏だったようです。お詫びして訂正するとともに、すばらしい作品に感謝します。