核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

第一次小林秀雄全集(創元社版)の裏事情(?)

 いつまでも甘い悲しみにひたっているわけにもいかないので、小林秀雄論のまとめを再開したアンタルキダスです。つめたいシャワーを浴びた後の汚れ仕事という感もありますが、やりかけた仕事は終わらせねば。
 資料を整理していたら、ずっと前に入手して自発的にボツにしたコピーを発見しました。
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  もんがら童子 「大俗物・小林秀雄論」 『東京新聞』 「大波小波」 1960(昭和35)・12・22
 (引用は『大波小波 匿名批評にみる昭和文学史―4』 東京新聞出版局 1979(昭和54)による)
 
 創元社の編集者Fは、当時小林の文章を、細大もらさず切り抜いていて、所持していた。全集を編むに当たって、その切り抜きが小林の方へまわされたが、小林は大ナタをふるって、気に入らない文章は片ッぱしからやぶき、惜し気もなくくずかごに投げこんだ。もちろんそれらの逸文は、Fのところへ戻ってこなかった。Fは地ダンダふんだが、後の祭りだった。
 □……だから、創元社版は当時小林の自選の全集だったと言ってもよいのである。(もんがら童子
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 7月3日の発表にこれを引用しなかったのは、信憑性を保証できるだけの裏づけがなかったからでした。あれから1ヶ月がたち、データもだいぶふえたので、論文ではもしかしたら使うかも知れません。
 悲しみとも甘さとも無縁な不粋な話題ですみません。
 …それにしても、もんがら童子って誰だろう?