核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2022-12-14から1日間の記事一覧

円地文子監修『人物日本の女性史11 自由と権利を求めて』(集英社 一九七八)より 近藤富枝「伊藤野枝」

こちらは栗原著よりも抑えた筆致で、伊藤野枝の生涯を描き出しています。残念ながら、小説「火つけ彦七」への言及はありませんでした。 野枝には、 「そのときどきの愛人の思想を理解し、共鳴し、それに同化することによって自分を育てていったにすぎず、独…

栗原康『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』(岩波書店 二〇一六)

私は伊藤野枝自身の生き方にはどうも共鳴できないのですが、アナキズム研究を専門とする栗原氏は違いました。勢いのある文体で、伊藤野枝への全面的な共感のもとに綴られた伝記です。 題名は野枝の小説「火つけ彦七」と「白痴の母」からとられています。第5…

中森明夫『アナーキー・イン・ザ・JP』(新潮社 二〇一〇 未読)

大杉栄や伊藤野枝の魂が二〇一〇年の現代人やアイドルに宿るという物語。現代小説とはいってももう一二年も前ですが、気になっていながら今まで未読でした。 そもそも内藤千珠子氏の学会発表でこの作品を知ったのですが、同氏は発表および論文「大逆事件と百…