核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

2023-06-21から1日間の記事一覧

村井弦斎『加利保留尼亜』、再読

このたび国会図書館デジタルコレクションで、『明治文庫 短編小説 第一五編』収録の版を(つまり一八八八(明治二一)年の初出ではありません)、再読してみました。 「本常(ほんとう)にネー、地球の外から誰か見て居たら嘸(さぞ)可笑しなもんでせうネー…

カール・シュミット『パルチザンの理論』、届きました

一読では意図がつかみづらいので、もう何度か読み返すことになりそうです。

遅塚麗水『蝦夷大王』にみるアイヌ独立と、その問題点

国文学研究資料館の「近代書誌・近代画像データベース』に、掲載誌『都の花』(明治25~明治26)の画像があり、おかげさまで、自宅で遅塚麗水の小説『蝦夷大王』(えみしだいおう)を全文読むことが出来ます。 近代書誌・近代画像データベース (nijl.ac.…

遅塚麗水『蝦夷大王』の再審請求は取り下げます

『蝦夷大王』も読んではみたのですが(そして、家のPCでも読めると知ったのですがw)、こちらは論文にはなりそうもないと判断しました。 決して、アイヌを女性ジェンダー化して一方的にその悲劇を美化するだけの作品ではありません。作品全体を見ると、む…

手に入らない水の月。実現不可能な平和という理想?

村井弦斎の第一作(確認されている限りでの)、『加利保留尼亜』は、人類どうしでの戦争をやめ、人類をおびやかす天然力と戦うべきだという、崇高な理想を掲げていました。 しかし第三作『匿名投書』(これも確認の限りでの第三作)では、ロシア・清国の日本…

黄金島はなかった

村井弦斎の本当の第一作『黄金島』は、どうやら入手不能のようです。 以下、『郵便報知新聞』一八八八(明治二一)年三月一〇日の記事より。 ※ 募集小説評定広告 昨年本社が賞を懸けて募集せる小説は応募の寄稿無意四十七通に及へり記者仔細に之を評定して左…