核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

スピノザ『国家論』(畠中尚志訳 岩波文庫 1976 原著1677) その1 マキャベリ編

 前回引用し、スピノザの国家論がマキャベリに似てるとか私が書いた箇所のすぐ後で、スピノザ自身がマキャベリについての弁護を述べていました。
 マキャベリは「確かに自由の味方」であり、マキャベリ君主論絶対君主制の擁護ではなく、絶対君主制の危険を示すために書かれたのだという趣旨です。
 
   ※
 マキアヴェリはおそらく、自由な民衆が自己の安寧をただ一人の人間に絶対的に委ねきることをいかに用心しなければならぬかを示そうと欲したのである。すべてを委ねられた人間は、(略)民衆のために計るよりは自分のために用心し、自分の方から民衆へ罠をかけざるをえないからである。
 (第五章第七節 61~62ページ)
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 ・・・歴史上のマキャベリへの解釈としては疑問が残りますが、少なくともスピノザ自身は絶対君主制に反対だったようです。ただし、多分に性悪説的な意味で。
 この本はずっと前に通読したはずなのですが、ろくに内容を覚えていないことが判明したので、ここから先は慎重に読み直します。
 こんな調子で大丈夫か。私は人の話を聞かないからなあ。