核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

アリストテレース『詩学』 より 『オデュッセイア』の筋書

 古代ギリシア叙事詩オデュッセイア』といえば、岩波文庫でも上下二巻の大作なのですが。
 アリストテレースが簡潔にまとめてくれました。
 
   ※
 じじつ、『オデュッセイア』の筋書は長くはない。
 
 ある男が長年家を留守にしていた。彼はポセイドーン(訳注16)に監視され、しかもたった一人きりであった。そのうえ、故郷では財産が彼の妻の求婚者たちによって浪費され、息子は生命を狙われていた。彼は嵐で難破したのち帰国し、幾人かの者に自分が誰であるかを明かしてから、敵を襲った。そして自身は救われ、敵はほろぼされた。
 (アリストテレースホラーティウス詩学・詩論』 松本仁助・岡道男訳 岩波文庫 1997 67ページ)
   ※
 
 後の今北産業です。四行だけど。(五行か)。私も『日の出島』を読み終えたら、三行にまとめてみます。
 この『詩学』という本は、現代日本人にはまったく役に立たない部分(ギリシア語の韻律とか)も多い反面、「性格」とか「場面」についての分析は読みごたえがあります。文学を志す者としては読んでおくべき本です。