核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

「誰の思想も大概同じ様に成つては、小説を書いても一向珍しく有るまい」

 ようやく星一『三十年後』を完読したわけですが、最高の一行を選ぶならこれです。
 まったく、現代の小説雑誌を読んでて面白くない理由はそこなのです。私も好きこのんで明治大正や古代ギリシアを漁っているわけではありません。
 じゃあ、『三十年後』自体はどうだったのかというと。すぐ前に読んだ『日の出島』やその他の明治大正SFと比べて、飛びぬけて斬新というわけではありませんでした。
 ハードウェア技術の進歩が社会問題を解決するという「同じような思想」にとりつかれている限り、思い描く未来も同工異曲になるわけです。あくまでも文学研究者である私としては、心の研究の側から、ポジティブな未来を指し示したいものです。
 自分で書く力がないことは十分わかっているので、せめて埋もれた作品の発掘という形なりとも。