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第一次大戦の勃発に先立つ直前の時期を対象にとりあげた主要な研究によると、それぞれの国の意思決定者たちは敵対的な行動の脅威を感じとり、その知覚が敵対的な国々にたいして敵対的な行動をとることにつながったという事実が明らかにされている。いい方をかえると、他の国々が、軍事同盟に対抗し、軍拡競争や植民地をめぐる闘争に手をそめている場合、彼らは、敵国とみられた。彼らは、敵対的にふるまうものと知覚された(その国々が実際にそのような行動様式をとると否とにかかわらずである)。そしてこの敵意には、次に知覚する側の敵意が対抗した。この過程の型式は、紛争のら旋的進行として知られている。
ラセット著 鴨武彦訳『安全保障のジレンマ』有斐閣 一九八四 一七二ページ
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『ある青年の夢』でいえば、第四幕より第三幕第三場にあてはまるような。