核兵器および通常兵器の廃絶をめざすブログ

近代文学研究を通して、世界平和を考えています。

漱石『吾輩は猫である』中のアリストパネス

 古代ギリシアネタが意外と多い同作品。主人と細君の会話で。

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 「いや、まだ飲む。一番長い字を教えてやろうか」
 「ええ、そうしたら御飯ですよ」
 「Archaiomelesidonophrunicherataと云う字だ」
 「出鱈目でしょう」
 「出鱈目なものか、希臘語だ」
 (夏目漱石吾輩は猫である』(七) 原著一九〇五 新潮文庫 二五六ページ)
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 ……『ギリシア喜劇全集2』(岩波書店 二〇〇八)の『蜂』解説によれば、上記の長い単語は『蜂』二二〇行に見え、meleはmeliが正しいそうです。意味は「いにしえの蜜さながらに愛らしいプリューニコスのシードーン歌」(同書18ページの訳文より)。
 『蜂』にはもっと長い単語が出て来るとか、『女の議会』にはさらに長い単語も出て来るそうですが、本当に長いので省略します。

 日露戦争期の日本でのアリストパネス受容については、以下にも。

 https://blogs.yahoo.co.jp/fktouc18411906/9592914.html