前回に続き、「将軍」より。
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彼はほとんど戦争は、罪悪と云う気さえしなかった。罪悪は戦争に比べると、個人の情熱に根ざしているだけ、×××××××出来る点があった。
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そして、スタンダール『赤と黒』中の、ジュリアンの犯罪論。
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「すくなくとも犯罪を行うんなら楽しみをもっておこなうべきです。それ以外に犯罪なんか何の役にも立ちやしない。もしその犯行を弁護し得るというのならばこの点を措いてありませんよ」
スタンダール『赤と黒』 大久保和郎訳 角川文庫 一九七一 四二二ページ
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……引用しておいて何ですが、そんなに似ていないかも知れません。ここでの「彼」こと江木上等兵は、別にスタンダールの愛読者という設定でもないし。